テレビ朝日の亀山慶二社長が不適切な演出について謝罪
10月26日、テレビ朝日の定例社長会見があり、社長の亀山慶二氏が情報番組「大下容子ワイド!スクランブル」において発覚した不適切な演出について、謝罪した。
番組では月~木曜日の番組終了間際に流れ、その日の放送に対する質問に番組が答えるというコーナーがある。同局によると、昨年3月から寄せられた535件の質問のうち、117件が想定質問だった。用意したのは番組チーフディレクターで、テレビ朝日映像所属の40代男性。男性がコーナーを取り仕切っており、同局のプロデューサーも把握できなかったという。
このチーフディレクターは「視聴者からの質問や意見には日々、放送終わりに目を通しており、過去に読んだ質問や意見も踏まえて視聴者が聞きたいこととニュアンスが同じであれば、自分が事前に用意した想定質問を使っても問題ないと思っていた」などと説明しており、これまで放送した質問のうち、約2割が想定質問だったという。
亀山社長は「番組への信頼を大きく損ねる許されない事案。視聴者、関係者の皆様に深くおわび申し上げます」と述べた。
チーフプロデューサーとプロデューサーを減給1カ月、情報番組センター長をけん責とする懲戒処分を下したと発表している。
大下アナは21日、「番組を信頼してご覧頂いている皆様に、大変申し訳ない思いでいっぱいです。二度とこのようなことが起きないように再発防止を徹底します。また、失ってしまった皆様からの信頼を取り戻すべく、一日一日の放送を、より真摯に取り組んでまいります。この度は誠に申し訳ございませんでした」と語り、深く頭を下げていた。
視聴者の反応は?
チーフディレクターによる捏造であったことから、ネット上からは、
『いやいや、そのインチキをしたチーフディレクターを出して謝罪させろよ。なにアナウンサー使ってんだよ』
『大下容子アナが悪いというより、番組スタッフ自体が悪いんじゃないの?』
『不適切演出を大下容子アナに謝罪させてもな。おそらく内部通報だろうから過去にもあったんだろうが、飲み会騒動の時もそうだがこんな局が正義面して報道しても寒いだけ』
『放送法に触れてるぞ。こういう事を日常的に行っててマスコミを信用しろ、テレビを信用しろって言うのが無理。アナウンサーに謝らせて有耶無耶にすな』
『無いものをあるかのように語るのは「捏造」です』
などの意見が寄せられ、炎上する騒ぎとなっているようです。
テレビ朝日では、緊急事態宣言中であった五輪終了後に、同局のスポーツ局の社員らが「打ち上げ」と称してカラオケ店でパーティーを行い、女性社員が2階から飛び降り、骨折をして病院に緊急搬送されるという事件も起こったのも記憶に新しいところ。
こうした世間からの怒りを買う行動に対して、信頼を回復すべく番組づくりに邁進していた矢先に発覚した今回の捏造騒動。
テレビ朝日のヤラセは夕方の報道・情報番組『スーパーJチャンネル』で、スーパーの買い物客としてスタッフの知りあいを仕込んでいた件が2019年に発覚。放送倫理・番組向上機構(BPO)が放送倫理違反と認定する事態になった。視聴者にはまたかの印象を与えてしまっているに違いないです。
制作は関連会社でしたけど、今回の構造もこのときとほぼ一緒。当時も『視聴者の信頼を著しく損ねる重大な事案』とし、テレ朝は対策を講じると言っていたはずです。
ことし2月には、バラエティー番組「10万円でできるかな」でヤラセ疑惑を報じられ、亀山社長は定例会見で謝罪。10万円分の宝くじがどれだけ当たるかを検証する企画にもかかわらず、実際には10万円以上の金額が使われていたり、キノコ栽培企画では、スーパーで購入したキノコを地面に貼り付け、あたかも番組で栽培したように演出していたことを認めている。
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